お箸の使い捨て文化は古来から神事と結びついたものだそうです。
昔山に行った時には小枝などでお箸の代わりをしていて、その際一度使用したお箸には、その人の霊が宿るとされ、家に持ち帰らずその場に捨てる習慣だったそうです。
しかしそのままにしておくと獣が持ち遊んだりし、その災いが自分に振りかかることを防止するためにも、必ず箸は折って捨てたとされています。
この行為は、お箸に宿る霊を自分の元へ帰らせる為と言われ今でも弁当や食事の後に、割箸を折る風習が残っているのもこの為なのです。
お箸には神が宿るとされていて、神の霊力を人が得た時点で、真新しいお箸の役割は終わり、二度と使われませんでした。
現在でもお正月には「祝箸」として、一回限りの白木(柳箸)の箸が使われます。同じ意味で、家庭以外の場所での食事や不特定の人を対象にする食事には、使い捨ての割箸が使われています。
江戸時代には酒樽の端材を利用した使い捨ての割箸が多く作られ、清潔好きの江戸の庶民に大いに利用され、現在に至っています。
近年、森林資源を守るために割箸を使わないように言われますが、主に間伐材から作られる割箸は森林資源に悪い影響を与えません。
むしろ下枝刈りや間伐のための人件費をまかない、森林保護にも役立っているのです。